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船外活動中の宇宙飛行士の母。その腕にかき抱かれる息子。サンタクロースがもたらす、夢の母子の再会。もちろん、ただの人間の子供が、宇宙服もなく宇宙空間にいられるはずもない。サンタクロースの叶える夢は、物質的な願いだけではなく、夢の世界での体験も含まれるのか?
トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。
今日のパワパフZの感想。
サブタイトル §
第26話「サンタさんを救え! その1」「サンタさんを救え! その2」
あらすじ §
サンタクロースが実在する世界。
ケンは3年連続サンタクロースからプレゼントをもらっていませんでした。その原因は、ユートニウム博士がサンタへの手紙を出さなかったからでした。
ケンは、母に会いたいという願いをサンタに出します。しかし、宇宙ステーション勤務の宇宙飛行士の母は、戻れないという通信をよこします。
サンタのプレゼントを奪おうとモジョが襲撃しますが、パワパフZに撃退されます。
サンタはケンを宇宙に連れて行き、母と対面させます。
感想 §
これは衝撃的な内容です。
サンタクロースに関する衝撃的な作品といえば、かつて見た「魔法のプリンセス ミンキーモモ」(空モモ)のサンタクロースが登場するエピソードがあげられます。
今回の内容はそれに匹敵する衝撃を持っていたかもしれません。
モモのサンタクロースのエピソードがなぜ衝撃的だったのかというと、もはや誰もサンタクロースを信じていない時代に、実は本物のサンタクロースは存在したのだという「真相」をぬけぬけと語ってしまったことにあります。モモによって希望を与えられたサンタクロースは、再び活動を開始し、子供達にプレゼントを配ります。
(おそらく)もう1つ画期的だったことは、サンタクロースが次々と複製され、複数のサンタクロースがプレゼントを配る描写が描かれたことです。これは一人のサンタがプレゼントを配りきることはできないという難点の合理的な解決です。
今回の内容でも、人数問題に合理的な解釈を与えています。サンタクロースは一人ではないばかりか、今回登場したサンタ達はトーキョーシティ担当だけです。これだけの人数で全世界の子供にプレゼントを配れるわけがない……という難点を合理的に解決しています。
しかし、本当に衝撃的なのはそこではありません。
サンタクロースが実在し、中学生や大人までが実在を前提として生きている架空世界をぬけぬけと描き出してしまったことが衝撃的なのです。
その結果として展開される世界は、一種の逆転世界となります。本来、サンタなどいない……という主張は物事を知った大人のものです。大人とは、サンタがいないことを理解することによって到達する境地です。しかし、この作中において、サンタがいることは大人が持つべき常識であり、サンタはいないという主張は子供が持つ精神的な病理と見なされます。
これは、あり得ない世界を描ききったという意味で、極上のファンタジーということができます。
今回の一言 §
特に、中学生にもなってサンタを信じ、プレゼントをもらうガールズ達の姿が印象的ですね。普通のアニメならあり得ない描写です。